東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2019年09月11日(水)
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「陋巷箪瓢」 (ろうこうたんひょう)

「陋巷」は貧しい者が身を寄せ合って住む街。「箪」は竹作りの食器。「瓢」はひょうたんの中身をくり抜いた酒や水を入れる器。孔子の弟子である顔回は、陋巷をわが住む街と決めて終始変わらず、一箪の食、一瓢の飲という貧しい暮らしにも泰然としていました。そんな弟子を孔子は「賢なるかな回(顔回)や。一箪の食、一瓢の飲、陋巷にあり。人はその憂に堪えずも、回やその楽を改めず」(『論語「雍也」』から)とほめています。
 曲阜の「孔廟」を訪れたら、大成殿などの大建築はさておき、孔子故宅にある「孔宅故井」を見落とさないこと。そこから300mほどの顔回が住んだ陋巷にある「顔廟」には「陋巷井」が残っています。さほど遠くない二つの井戸を訪ねると、「賢なるかな回や」という弟子をほめる師の声や顔回の早死を嘆く「ああ天、われを喪ぼせり」(『論語「先進」』から)と孔子が天に向かって慟哭する姿が偲ばれます。「陋巷箪瓢」(袁枚『小倉山房文集「第二十六首」』など)にはそれぞれ達意の人生が示されているようです。
 

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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