東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2019年10月09日(水)
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「食日万銭」(しょくにちまんせん)

 テレビでは料理番組ばやり。東京では世界各地から料理人が集まって、万銭のかかる料理が供されています。日ごとの飲食費が万の位を要するという「食日万銭」(『晋書「何曾伝」』から)のおこりは晋の何曾からで、何曾は司馬懿とともに曹氏政権を倒して司馬炎による晋朝成立の中心になり、丞相についた人物です。暮らしは贅をきわめ、宮中料理には箸をつけず(無下箸処)、自邸から持ち込むほどだったといいます。
 一方に人民と暮らしを同じくして食に倹素であることに「食に二味あらず」(食不二味。『春秋左氏伝「哀公元年」』から)があります。庶民の食卓はささやかな三菜一湯ですが、それにも満たない一食一品ですますこと。呉王の闔廬は「食は二味あらず、席(敷物)は重ねず」という倹素を君子の心がけのひとつにしました。孔子も「食は飽くを求むるなし」とし、斉の晏子も「食に肉を重ねず」を実行しました。指導者が飽食をほしいままにして滅びない国はなさそうです。「歓楽極まりて哀情多し」は世の常だからです。
 

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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