東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「聞一知二」 ぶんいちちに 

 「一目十行」に対して「聞一知十」がありますが、「一を聞いて十を知る」より「二を知る」ほうに味わいがあります。あるとき孔子が弟子の子貢(端木賜)に「おまえと顔回とどちらが優れているかね」と問うたことがあります。本人には答えづらい問いかけです。そこで子貢は「回(顔回)や一を聞いて以って十を知る、賜(端木賜)や一を聞いて以って二を知る」と答えました。(『論語「公冶長」』から)

自分をおとしめずに他をほめるこの答えは巧みです。聞いた孔子は、「そうだね、わたしもおまえも回にはかなわない」といって喜びました。「一を聞いて十を知る」顔回は学才に優れ、「二を知る」子貢は商才に長けていたといいますから、「一を聞いて二を知る」ほどのほうに生活力があるといえそうです。孔子晩年の講学と著作を助けた顔回は師より先に死んで師を嘆かせましたが、子貢は師の死後六年の喪に服し、のちの孔里「曲阜」の成立に寄与しました。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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