東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2020年02月19日(水)
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「春夢無痕」(しゅんむむこん)

 新型コロナウイルス(新型冠状病毒)に襲われた中国では今年の春節(1月25日)は祝っていられませんでした。わが国でも天皇誕生日の一般参賀が中止され、東京マラソンも一般参加者が走れなくなりました。春節を迎えて「春回大地」とはいえまだ凍てつく日がつづきますが、元宵節(最初の満月)を終えると次第に春めいてきて、「春暖花香」の季節がやってきます。桜の花見は中国にもあって、武漢大学キャンパス内の500mほどの桜花大道が有名です。入場料は大学の収入源になっています。
「春の夢」というのはもろくてはかなく、容易に消え去ってしまい痕跡を留めない、ということで「春夢無痕」(蘇軾「正月二十日与潘郭二生出郊尋春」から)がいわれます。蘇軾には有名な七言絶句「春夜」があって、「春宵一刻」値千金・・夜沈沈と詠っています。
 春の夜の夢については、わが『平家物語』の巻頭にも「・・おごれる人も久しからず、 ただ春の夜の夢のごとし」とあって、平家のつかの間の栄華が例えられています。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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