東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2020年03月11日(水)
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「解衣推食」(かいいすいしょく)

「衣食足りて礼節(栄辱)を知る」(『管子「牧民」』から)といわれますが、どうでしょうか。衣食足りているはずのこの国で、新型コロナウイルス騒動でのカイダメ姿をみると疑わしくなります。自分が着ている衣を解いて与え、自分の食を分けて与えてわが身を削ってもてなして命に替える信を得るのが「解衣推食」(『史記「淮陰侯列伝」』から)です。
 天下を東(項羽)と西(劉邦)に二分したとき、項羽は韓信の説得に旧知の武渉を向かわせます。項羽に仕えたこともある韓信に武渉は、「あなたが右に投ずれば漢王(劉邦)が勝ち、左に投ずれば項王が勝ちます。あなたは項王と故あり」と説きます。韓信は「漢王は衣を解いてわれに衣(き)せ、食を推してわれに食らわせてくれ」、その上よく言を聴いてくれて計は用いられたと答え、「死すとも易えず」として断っています。
 命にかかわる食と信。国際協調から分断への時代に、食材は世界各地からやってきます。わが国が信頼を得て食を得られるかどうか、礼節が問われることになります。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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