東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2020年04月29日(水)
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「梨花帯雨」(りかたいう)

 この春はお花見もままならぬうちに過ぎようとしています。花は梅・桃李・桜・牡丹と移ろっていきますが、春に雨を帯びて咲く白い梨の花「梨花帯雨」白居易「長恨歌」から)を花あるうちに取り上げておきましょう。白居易は、玄宗に死を賜ってのちの仙境での楊貴妃が涙を湛えて欄干による姿を、春の雨を帯びる一枝の梨の花にみています。「玉容寂寞涙闌干 梨花一枝春帶雨」。今でも若くして夫や恋人を失ったり災厄に出合って女性が哭(な)く姿を「梨花帯雨」と表現して深い悲しみを伝えています。
「新型コロナウイルス」対策の医療現場で、みずから感染して命を落とした医師や看護師のまわりには、幾枝もの「梨花帯雨」をみることになりました。4月23日に犠牲になった岡江久美子さんのお仲間にも涙するこんな風情の方の姿を見受けしました。スケートの浅田真央さんの応援動画に「梨花一枝春帶雨」のタイトルを見ました。同じ玄宗にちなむ梨でも「梨園弟子」(別項)は華やかな音楽や技芸にかかわっています。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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