東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2020年05月13日(水)
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「推三阻四」(すいさんそし)

 四字熟語の三と四の数字の重ね方には妙味があります。春先に用いられる「三寒四温」は、日ごとに春めく気配を伝える親しいことばですが、この三つ推して四つで阻むという「推三阻四」(『儒林外史「一回」』など)は、成立にむけた事項を三つあげながら四つの不成立の事項を設けることで、不成立に傾く気配を伝える巧みなことばです。
 今回の「コロナウイルス」への対応に際しても、政治家や官僚は「スピード感」の欠如をいわれながらさまざまな政策決定をして推進していますが、実施の現場で阻止されることが次々に起こっています。その都度さまざまな理由があげられ実施されない言い逃れが繰り返されています。現場で実施されず、「推三阻四」の口実の陰で企業はつぶれ人も死ぬという結果を生んでいるのです。「三翻四覆」ともなれば変容はなはだしくもはや信用できません。「三三五五」といえばほどほどの数のひろがりを、「三三両両」となるとそれほど多くないことを伝えます。数字を重ねる表現の妙味です。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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