東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2020年06月03日(水)
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「千古笑端」(せんこしょうたん)

 この深刻な状況下にあってもTVから笑いが絶えません。学生も単位をとるより笑いをとることに熱心な「お笑いの時代」。「笑」のつく熟語に「千古笑端」(『世説新語補「識鑑」』から)があり、これは時代を超えて末代までもの笑いの種になることにいいます。
 中原に宋が興り、江南の南唐(都はいまの南京)が危うくなったころ、南唐の後主であった李(別項「天上人間」)は韓煕載文靖)の志を疑っていて、画家顧宏中に命じて日常のようすを描かせます。画家は見たとおり彼が妻妾歌女に囲まれて夜宴を楽しんでいるようすを描いて献上します。それがいまに残る『韓煕載夜宴図』(故宮博物院蔵)です。韓煕載が昼夜歌舞に溺れることで宰相になることを避けた理由は、宋軍が攻めてくれば江南の兵は闘わず逃げ去ることがわかっていたからで、そんな時期に宰相となって末代までの笑いの種となることを避けたのでしたが、結果はこの四字熟語とともに名を残すことになりました。歴史上に「千古笑端」をいわれた指導者は数知れません。
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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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