東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2013年05月22日(水)
  • 動物

「千里鵝毛」 せんりがもう

 スイスの旅先から友人の手書きのあいさつが添えられた絵葉書が届きました。「千里迢迢」(遥かなこと)の思いを伝えて。近ごろは珍しいことです。一千里のはるかかなたにいる友人へ鵝毛(軽くささやかなもの)を送る。それでも友誼の心は伝えられるというのが「千里鵝毛」(欧陽修「梅聖兪寄銀杏」など)で、絵葉書は鵝毛であることのいわれとともに、この四字熟語を思い出させてくれました。

こんないわれがあります。唐の長安へ向かうチベットからの遣使が、旅の途中で貢献のためにつれてきた珍禽の白天鵝に水を飲ませ羽毛を洗おうとした際に逃がしてしまいました。残されたのは鵝毛のみ。遣使は太宗との接見の際にこれを献じ、詩を添えて事情を訴えました。太宗は罪とせず忠誠心をたたえてねぎらったといいます。

いまや鵝毛ならぬ電子メール(電子郵件)の時代。送ったらすぐに返事がもどってきます。「千里迢迢」であることを忘れてしまっているのです。 

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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