東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2020年07月22日(水)
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「夫唱婦随」(ふしょうふずい)

「天下の理は夫者が倡(とな)え婦者が随う」という「夫唱婦随(『関尹子「三極」』から)は封建時代の社会と家族制度を支えた「男尊女卑」による夫婦の関係でした。それでも明代になると「夫随婦唱」(李開先『宝剣記「五二」』など)が表に出てきます。妻の言い分をよく聞く夫の登場です。女性は「幼時は父に、嫁いだら夫に、夫の死後は子に従う」という「三従」に長く縛られてきました。「婦随夫唱」となると妻主体のニユアンスが少し強まります。
 近代以降は「男女同権」の潮流に乗って意味をかえ、近時の辞書には「夫唱婦随」とは「仲が良い夫婦に対して用いることば」と説明されています。さらに「婦唱夫随」となると裏返した「女尊男卑」の女性主体の生き方が濃くなりますが。お見合い結婚の世代には「夫唱婦随に、相手を自分で選んだ恋愛結婚世代には「婦唱夫随」にそれぞれの味わいがあります。夫がすぐ後を追ったプロ野球の野村夫妻の姿などが偲ばれます。中国ではこのタイトルの歌がみんなに好まれて「婦唱夫随」が浸透しているようです。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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