東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2020年09月16日(水)
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「歌舞昇平」(かぶしょうへい)

 歌舞が盛時にむかう太平(昇平)の時代を表現することが「歌舞昇平」曾鞏『元豊類藁「六」』などです。民衆の歌と踊りの開放は平和と自由の証しです。

 いま人類の敵「コロナウイルス(冠状病毒)」との世界戦のさなか、犠牲者は100万人に達しようとしています。まだ収束の兆しが見えず、感染源の除去のためには「コーラス」も「ダンス」も控えねばなりません。本来なら大聴衆を盛り上げてコロナとの闘いを鼓舞するはずの大規模ライブイベントも中止を余儀なくされて。
 ただし現代の中国では「慶祝太平」ではなく「粉飾太平」の意味合いで用いられています。褒めことばが時代の推移のなかで逆に貶す意味をもつことがあります。郭沫若に現代の屈原と評された革命期の詩人柳亜子(慰高)の詩にも処々の「歌舞昇平」は「民族の恥」とあり、不夜上海がかつての「民族の恥」になることへの警鐘なのでしょう、歌舞が民衆から離れない日本とは異なる用い方の例といえるでしょう。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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