東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2020年10月07日(水)
  • -

「衆口錬金」(しゅうこうれんきん)

「衆口は金(金属)をも錬(と)かす)」は、『国語「周語下」』では古来言いならわされてきた諺として「衆心成城、衆口錬金」と対語で引いて、心も発語も集まれば城ともなり金属を溶かす力ともなると、良し悪し双方への影響力を指摘しています。古くは『史記「張儀列伝」』に「衆口錬金、積毀銷骨」と合わせて悪意の集積に用いられていますし、近くは『魯迅「三閑集」』にも「異説争鳴、衆口錬金」がみられます。本稿では衆口がひとつにまとまる意味合いで「衆口一詞」をとりあげましたが。
「衆口」はいまは世論やSNSでしょうか。ネット上では是非・賛否双方が飛び交って、すべてを破壊してしまう噂や悪口が際限なく蔓延して人を苦しめ死に追いやることにもなります。日本でもコロナ感染者への差別発言が問題視されていますが、“中国隔離”が叫ばれるトランプ政権下のアメリカでは、コロナ感染した中国系の人たちに対する衆口は、「衆心成城」すら悪意の集積の意味にしかねないのです。

webサイトはこちら

堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< October 2020 >>

月別アーカイブ