東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「同舟共済」(どうしゅうきょうさい)

「呉人と越人は互いに憎みあっていても、同じ舟で済(わた)っていて風に遇えば左右の手のように助け合う」(『孫子「九地」』)から、同じ課題を持つ者同士として協力し合いましょうというのが「同舟共済」です。中国の要人が外国との交渉に当たってよく使います。李克強首相が5月最初のインド訪問の折りにも用いました。クリントン米国務長官が訪中した際にも米中協調の呼びかけにこの成語を引用しました。2011年に在日中国人のみなさんが選んだキーワードも「同舟共済」でした。

日本では同じ『孫子』を原典とした「呉越同舟」を用いています。呉人と越人という歴史的に知られた敵同士が同じ災難に遭遇して助け合う意味合いは鮮明ですが、現代の中国では見かけません。尖閣列島(釣魚島)領有権問題で、中国船の領海侵犯がつづく日中間では使いづらい成語です。助け合って互いに益を得る「同道相益」(欧陽修『朋党論』など)でいきたいものです。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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