東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「経国大業」(けいこくたいぎょう)

「文章は経国の大業にして不朽の盛事なり」(『典論「論文」』から)といったのは、曹操の長子で三国魏の皇帝となった曹丕です。このことばは、その後、国家のリーダーに「優れた文人」であることを課することになりました。国の営為は不朽であらねばならず、それを表現し国民に理解を求めるには必要な能力だからです。

曹操は武人であるとともに文人を志した人物であり、子の丕と弟の植を合わせて「三曹」といわれます。曹操なきあとも三国争覇の魏軍を統率していたのは司馬懿であり、子の師と昭を合わせた「三馬」に対する牽制の意味合いもうかがえます。みずから最高の文人を称した曹丕でしたが、筆をおろせば湧くように文章をなす「下筆成章」の植が勝るという世評はいかんともしがたかったようです。鍛えあげた文章表現力をもつ人物によって国の事業もまた不朽となるというのでしたが、曹氏の魏は司馬氏の晋に武力によって奪われ、それゆえに曹丕のこのことばは不朽となりました。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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