東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「夜不閉戸」(やふへいこ)

「夜に戸を閉ざさず」、それでも安全に暮らせる社会をつくること。「セキュリティって何?」という社会です。『礼記』の「外に戸を閉じず、これを大同という」(「礼運」から)にはじまり、いつの世にもそれが為政者の目標でした。『水滸伝「一回」』でも「路に遺ちたるを拾わず、戸夜に閉ざさず」という太平の世を夢見ていますし、『三国演義「八七回」』では蜀の民が「両川の民、太平を欣楽して、夜に戸を閉ざさず、路に遺ちたるを拾わず」と、束の間の安定を謳歌しています。

いまや世界が狭くなり、どこからでも侵入者、破壊者がやってくる時代。外界に善意とともに悪意の存在を前提とせざるをえない社会では、中国の「小康社会」という夢でも「夜に戸を閉ざさない」社会とまではいえないようです。局地的な小世界「日本」では、ついひと昔ほど前、1970年代、1980年代に「一億(九割)中流」という「夜に戸を閉ざさない」社会を束の間体験したのでした。

webサイトはこちら

堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< December 2019 >>