東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2013年07月24日(水)
  • 自然

「七月流火」 (しちがつりゅうか)

 盛夏をむかえて、中国大陸の暑気炎熱いよいよ激しい時節の訪れとともに使われていた「七月流火」(『詩経「豳風七月」』から)に対して、本来の意味合いは「向熱」ではなく「転涼」であるとして、誤用を指摘したのは天文関係の人たちでした。

この「火」は、さそり座のα星アンタレスのことで、旧暦六月の南天に赤く輝いて現れますが、七月になると西空に傾いて沈んでいく。これが「流火」で、本来は「七月流火、九月授衣」とつないで秋涼の訪れを指すのが原羲だというのです。

原義はそれとして、現実の生活感に親しい意味での使用はつづいていて、誤用というなら「八月流火」を使おうというのが「現代漢語」派の意見です。八月には連日、40度を超える重慶などでは「八月流火」が一般に通用しているようですが、さすがにメディアでは、誤用誤用と騒がれると扱いづらいようです。日本で用いられないのは、緯度が高いために「流火」の鮮やかさに欠けるからでしょう。

 

webサイトはこちら

堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>