東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2014年02月05日(水)
  • 動物

「牛角掛書」(ぎゅうかくかいしょ)

「牛角に書を掛く」というのは、ゆったりと歩を運ぶ牛にまたがって、その角に書を掛けて道すがら読んだという隋代の李密の故事からいわれます。李密は煬帝に警戒されて遠ざけられ、後に唐を建てる李淵の下に居ることに甘んじず、「中原逐鹿」(天下争覇のこと)に敗れますが、道を行きながら牛角に掛けた『漢書』を読んだ姿は、瞬時を惜しんで学問に励む例とされています。角を使われ、耳元で「項羽伝」を読み聞かされた牛のほうは迷惑だったことでしょう。(『新唐書「李密伝」』より)

この成語をとりあげたのは、移動途中の電車のなかで瞬時を惜しんで電子機器をあやつる若者たちの姿と重なるからで、学校で得た知識ではなく、移動中に得た計り知れない質と量の知識によって、国境をこえた電子世界の知識人が時代を動かすことになるのだろうと推察されるからです。想像を絶する未来の姿に、牛のように喘ぐばかり。さりとて「牛角掛書」の意味合いが解らなくなることもないでしょう

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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