東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2014年02月12日(水)
  • 自然

「三春之暉」 (さんしゅんのき)

「三春」は、孟春、仲春、季春。「三春の暉」は春三カ月の暖かい陽光のこと。長い旅に出る子どもが着る衣服(游子身上の衣)を、「立派になって帰っておくれ」という思いを込めてひと針ひと針と縫う母の愛を「三春の暉」にたとえていいます。暖かさではこれに過ぎる衣はないでしょう。手中に糸を操っている母の恩にどうやって報いればいいのだろう。この孟郊の詩「游子吟」を口ずさみながら、中国の子どもたちは自らの出立のことを思うのです。

父の恩については、李紳の詩「憫農」にきわまります。こちらは日中の強い陽光をあびながら、穀物をつくる畑の土に汗を滴らせて鋤をあつかう父。ひと粒ひと粒はみなその辛苦の成果「粒粒辛苦」であることを思うのです。

「游子吟」も「憫農」も、ともに中国の子どもたちがそらんじている唐詩であり、「三春の暉」も「粒粒辛苦」もともに親しい四字熟語です。

webサイトはこちら

堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>