東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「抜苗助長」(ばつびょうじょちょう)

  種から芽が出たものの苗の育ちが遅い。そこで早く育てようとひっぱって伸ばして枯らしてしまった農民の話が『孟子「公孫丑章句」』に記されています。いくら周辺から蔑視されていた宋国でも、農民がそんな愚かなはずはないのですが、孟先生は「助けて長ぜしむることなかれ」としてこの宋国の農民の失敗例を引いています。「抜苗助長」または「揠(あつ)苗助長」としてよく知られている故事成語です。ですから本来、「助長」には良い成果を求めて能力を伸ばす意味合いはないようです。

次世代の優れた才能を育てようと「助長」して枯らしてしまうことは、ひとつの金メダルの陰の“英才教育”として知られるところ。いま中国でも庶民の間で就学前3年の幼児園教育が問題になっています。社会常識や活動能力や情操教育をおろそかにして、文字を書かせたり算数の力をつけさせたりする就学前教育が両親の希望で優先される傾向があるからです。そこで「抜苗助長」がよく用いられます。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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