東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「十全十美」(じゅうぜんじゅうび)

 この上なくすべてよし、「十全十美」(『警世通言「巻二一」』など)は、まさにこの上なく心地のよい四字熟語です。「十全」は古くから病が癒えて良くなる「十治十癒」の意味でつかわれてきましたが、「十全十美」という完全無欠の意味となって、かえって実例が出づらくなりました。毛沢東がマルクス・レーニン主義は「十全十美」といっていますが、そのレベルとなるとそう多くはありません。

はじめから及ばない「十全十美」を避けて、一つ欠ける「十全九美」が生き生きとして使われています。北京オリンピックのころに封切られた映画「十全九美」は3000万枚ものチケットが売れたといいますし、北京の最高級マンションのウリことばになっています。緑の多い環境のなかで、交通が便利で医院やゴルフ場が近くて、150平米以上の広さをもち、内部設計も品質もよく・・。そこで価格もいいでしょうが、買い手にとって九美なのはこの点なのでしょう。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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