- 2014年07月30日(水)
- しごと・社会
「両袖清風」(りょうしゅうせいふう)
「両袖清風」は、橋上を月に随って歩む心地よい実景を詠った元代の陳基の詩によって知られます。が、明代になると兵部侍郎の于謙が、黄河の氾濫で災禍にあえいでいた河南地方での任務を終えて京に戻るにあたって、礼品をいっさい受け取らず、寸物も帯びずに京へもどる晴れがましさを「清風を両袖にし、天(みやこ)に朝(むか)いて去る」(『于粛愍公集「入京」』から)と詠んだことから、以後は実景ではなく清廉な官吏をいうこととなりました。
「両袖清風」を実感できる「和装」もまた貴重な世界の文化遺産です。