- 2015年04月29日(水)
- ひと・個人(こころ・こころざし)
「痛心疾首」(つうしんしつしゅ)
日本が伝統としている相撲、抹茶、畳、下駄などを、すべて中国起源ではないかといって「痛心疾首」する向きもあるようです。また気がかりなところでは、軍事戦略専門サイトが、近代に失った「十大領土」について、ロシア、蒙古、インドなどとの国境周辺とともに琉球、釣魚島を取り上げて「痛心疾首」としていることで、人民共和国(王朝)300年間での「蚕食鯨呑」の行方は想像もつきません。
日本が伝統としている相撲、抹茶、畳、下駄などを、すべて中国起源ではないかといって「痛心疾首」する向きもあるようです。また気がかりなところでは、軍事戦略専門サイトが、近代に失った「十大領土」について、ロシア、蒙古、インドなどとの国境周辺とともに琉球、釣魚島を取り上げて「痛心疾首」としていることで、人民共和国(王朝)300年間での「蚕食鯨呑」の行方は想像もつきません。
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最近では中国が主導して設立した「アジアインフラ投資銀行」(AIIB・亜洲基礎設施投資銀行)の申請期限であった3月31日までに、48カ国が参加を表明したことに「摩肩接踵」がいわれました。日本はアメリカとともに創設メンバーには加わりませんでした。リスクはあるものの開発途上国が資金を借りやすくなることで発展が見込まれ、国際金融の秩序を変えると推測されています。
「半陰半晴」もあって、薄曇りから日差しが戻る気配。永井荷風はこの成語が好きだったようで、『断腸亭日乗』によく出てきます。戦中の昭和二十年「四月初八 日曜日。半陰半晴。隣人より食麺麭(食パン)を買ふ。一斤六圓」、戦後の昭和二十二年「五月十四日は半陰半晴。帰途八百屋にて覆盆子(いちご)を買ふ。一箱四十粒にて金四拾圓なり」とあります。また景気の動向が、ある業種が上向きで、ある業種が低迷している模様見のときにも用いられます。
目標を共にする多くの人がひとところに集まったようすを「済済一堂」(帰荘『静観楼講義「序」』など)といいます。
フレッシュマンの新入生や新入社員を迎えた学校や企業の式典は、春にふさわしい華やぎの「済済一堂」でいいものです。が、一方の秋の重陽の日(旧暦9月9日)には、地元の何十人ものお元気な「百齢眉寿」のお年寄りの集い「百歳宴」というのがあって、人生の深い味わいを感じさせます。北京の人民大会堂の三層の席を埋めつくした3000人に近い全人代代表が、報告を聞き会議する光景は、まさしく世界最大規模の「済済一堂」の情景です。全員賛成の表決の場面などは圧巻です。
「人才済々」もいいですが、さまざまな新製品の展示会もまた「済済一堂」の晴れの舞台。新車の展示会には、家庭に二台目の需要も加わって、大衆車から高級車まで多彩な車種の展開が活発な経済活動のシンボルとなっています。