- 2017年02月22日(水)
- しごと・社会
「貪生怕死」(どんせいはし)
トランプ大統領との電話会談でにわかに存在がきわだった台湾初の女性総統・蔡英文総統は、高雄の黄埔軍官学校の閲兵後の訓示で、「貪生怕死莫入此門(この門を入るなかれ)」と述べていました。生きることに執着し死ぬことを恐れるような軍人であってはならない。ご存じのように「三民主義、吾党所宗 以建民国、以進大同」ではじまる「中華民国国歌」は、1924年の学校創設時の孫文の訓詞の一節です。曲折あって学校は1950年に高雄に再建されました(広州の跡地は全国文物重点保護単位に)。
敵前で「貪生怕死」(『三国演義』など)である軍隊では闘えない。「出生入死」(『韓非子』)など)が反義語で、命をかけた行為にいいます。こちらをいわないのは闘争を好まない国民性があるからで、かつて台湾総督だった後藤新平も台湾人の性格に「貪生怕死」を指摘しています。国歌の「吾党」が「国民党」を指すことから、民進党の蔡英文総統が歌うかどうかが話題となりましたが、就任後は斉唱に加わっているようです。