- 2020年03月25日(水)
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「華胥之夢」(かしょしぼう)
中国で暮らす人びとの祖とされる聖人黄帝は、長い治世に二度スランプに陥ったといいます。最初の時にはひたすら民の声を聴くことで脱し、次の時には三月のあいだ政事を離れてひたすら夢をみて過ごしたといいます。善なる人が “神遊”してたどり着いたのが「華胥氏の国」(『列子「黄帝」』から)でした。列子は、「国に帥長(支配者)なく、自然なるのみ。民に嗜欲なく、自然なるのみ」と説明を試みています。以後黄帝は二八年にわたって「華胥氏の国」のような国をめざして治世に努めたといいます。
「美国夢(American Dream)」に対比した現代の「中国夢」を、習近平国家主席は「国家の富强、民族の振興、人民の幸福」といい、「人民の夢であり、人民と共に実現し、人民に幸せをもたらすもの」としています。どうでしょう、「新型コロナウイルス(円冠病毒)」によって外出を閉ざされているあいだに“人遊”して 「わたしの華胥の夢」をみて過ごしては。その夢の達成をめざすことで人生は実のあるものになるに違いありません。